【 かくカク 】
第1章
終業のチャイムが鳴ったと同時に誰よりも早く帰り支度を始める。それをどんなに手早く済ませたとしても、終礼のホームルームが終わるまでは教室から出られないのだが、はやる気持ちを抑えることはできない。
未だ教室に姿を見せない担任に焦らされつつ、制服のポケットからそっとスマートフォンを取り出して画面を操作する。1番上にブックマークしたとある小説投稿サイトを開き、お気に入りボタンから彼のプロフィールページを開く。時刻は15時30分を過ぎたところ。普段ならそろそろ新作を上げてくるはずだが、昨日読んだ作品以降まだ投稿はされていない様だ。
親指の腹を画面に押し当ててズズっと擦りページの更新を何度か行う。すると、開…
もくじ (1章)
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