苦学生
第1章 思ひ出
京都から大阪へ向かふ汽車に乗つてゐた主人公大浦はかつての大学の学舎を窓から眺めてゐた。
刹那で過ぎていく嘗て(かつて)の学舎の面影に様々な記憶が湧き上がる。
その昔、大浦学生は学費を払ふ為に、ゐをんでストリツプを行ひ、齢18なる麗らか(うららか)な肉体をくねらせ聴衆の目を釘付けにした。
若い未だ穢れを知らぬ18の女体は何時の時代も大変貴重なのであらう。さふでなければこんなにも聴衆は群がらぬ。
聴衆も活力が有り余り、大浦へ体の関係を求めた。当時交際していた男が居るも、多額の金を積まれ、やむを得ず聴衆にその体を貸したのである。
夜遅く帰ると、彼への罪悪感を消しさるように夜の営みを欠かさず行ひ、同棲する彼と…
もくじ (1章)
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