完結

お天気象さん

詩・俳句・短歌など

更新日:2019年8月27日

お天気象さん

第1章

   1

 お天気象さんは
 雨の中
 庭の芝生の 百葉箱
 お仕事ですから チェックします

 飼育係の シーク君は
 ブラシと セッケンを持ってきて
 象さんの身体を洗います

「お天気象さん かゆい所ないですか?」

「お天気象さんは かゆい所あります」

 今日は意外と しおらしく
 臆病なシーク君は ほっとします

「どこがかゆいの? お天気象さん」

 お天気象さんは うわのそら
 シーク君の質問に 答えずに

「知ってる? こんな 驟雨(スコール)が
 大地を濡らすときにはね
 その大地のどこかで
 女が濡れながら 泣いているのよ
 だから
 雨はただ降るのではなくって
 その女の『絶望』がそれを降らせるの」

 お天気象さんは そう言って
 耳をぱたぱたいわせたあと

 鼻をのばして シーク君から…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2019年8月27日

作品情報

お天気象さんの歌です。

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