竹やぶに激しい風が吹く
第1章
なにも覚えていない
わたしになにがあったの…
くらい竹やぶの中
わたしは倒れている
薄暗いこの中でキラキラと輝く太陽の薄い光だけがなぜかあたたかい
誰かのもとに帰るんだって感じた
わたしはだれ…
なぜここにいるの
ここはどこ…
なにも思い出せない
なぜかこころも身体もぼろぼろで服も汚れて…
すり傷だらけのわたし
わたし
ここに死を求めてきたのかしら
それとも
逃げてきたのかしら
何日で何時なのかもわからない…
この薄暗い竹やぶの中では
なにもわからない…
ハ …ハ …ハ…
息を切らしてこちらに誰かが
近づいてきた
だだれ!!
りみ…
その人はわたしをにらむように見つめ
苦しそうにそう吐き出した
あなたはだれなの!
りみ…
俺がわからない…
もくじ (1章)
作品情報
気がつくと そこにいた
ただそれだけのこと
物語へのリアクション
お気に入り
1読書時間
4分コメント
2リアクション
8