猫と拳銃
第1章
バイクで急いでいると
急に車の流れが遅くなった
道路の歩道寄りのところに
激しく何かが動いているのが見えた
車に轢かれた 小さな猫だった
上半身が血まみれだったが
下半身は無傷で のたうちまわっていた
上半身はぐちゃぐちゃなのに
下半身は勢いよく もんどりうっていた
僕はそれを横目で見ながら
ああ、なるほど
と納得して そのまま走り去ろうとした
自転車に乗ったおっさんが
自転車から降りて
ばったんばったん
下半身だけで跳ね回っている子猫を見ていた
走り去りながら どうして僕は
平気なんだろう と思った
昔の僕なら どう思ったのだろうか と考えた
しばらくして また思った
あの子猫は そろそろ楽になっただろうか
もう あらかた血も流し…
もくじ (1章)
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