桜もまだ咲いていないのに
第1章 やっと…
「うううん…」
アカネは、今日何百回目のメールの確認をして、思わず唸った。
既読がつかない…
返信がない。
この三日間、アカネは送ったメールに対する返事をずっと待っていた。
送った初日は、返事を待って、風呂にも入らず、昼と同じ服を着たまま夜を明かした。
しかし、一番来て欲しいメールは来なかった。
マナトさんなら、すぐにお祝いのリプをくれるはず…
そう思った自分がバカだった。
彼は学校の実習か何かで今忙しいんだ…
ひょっとしたら、ずっとスマホなんて見てないのかも…いや、見れないのかも…
そう考えると、何となく納得もいったし、心がちょっとだけ軽くなった。
絶対に褒めてくれるはず…絶対に喜んでくれるはず…
私からのメール…
もくじ (6章)
作品情報
澤口アカネ18歳 豊川マナト20歳
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