知らぬが仏
第1章
「寝る前にしている妄想を先生に投稿してください」
国語の授業で先生がそう言ってプリントを配った。
「なんでもいいですよ。誰かに見せることもしません。配った原稿用紙一枚分で文章を書くということに慣れましょう。次の国語の授業までの宿題です」
最近この中学校に赴任した若い先生は、妙案だ、とばかりに軽く手を叩いた。
「先生はまだこの学校に来て日が浅いので、みんなのことをもっと知っていきたいと思っています。眠る時って無意識の考えが出てくるって言うでしょ? どんなことでもいいから、自由に書いてみてね」
優しそうな笑顔で先生が笑った。
黒板の上まで手が届かないくらい小さい先生は陰でコロポックルて呼ばれてる。
あの小さ…
もくじ (1章)
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主の歪みが垣間見える
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