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第1章
九月のはずれ。外のバス停、スクリーンは夜。セミが鳴いている。りーん、と。鈴を転がしたようだ。隣に黒い魔女が座る。美しい人に僕は見えない。揺れるせみは死にそうで、僕を殺す。気づいてはいないのだろうな。僕は殺される。無自覚に殺される。お酒を注げば目は曇るだろうか。信号待ちに12台。色が変わるとすぐきえた。街灯の下、誰もいない。いないなぁ。誰もいないんだよな。バスは来ない。雨だ。
雨。甘い匂いがする。あめのにおいとは違う。ブルーハワイ。ほんの少し甘すぎる。今度はお肉のにおい。
雨が首をしめる。
苦い。
雨の後にせみはいない。赤い、止まります。
隣の誰かのにおい。むせる
また止まった。落ちていく。白い傘をさした…
もくじ (1章)
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