夢の雫と星の花
第1章 プロローグ
7月27日、音見川の花火大会。街を見下ろす風撫で丘。1発の大きな花火が光のカーテンのように目の前いっぱいに広がっている。隣を見れば君がいる。君が口を開いた。
「好きだよ」
君の声がくぐもって聞こえた。まるで水の中にいるみたいだ。
音のない世界で花火が花開き、君の声だけが聞こえた。
私は君に告白される。それを知った瞬間だった。
私はベッドの上で目を覚ました。こちらが現実だと確かめるように目をぱちぱちと瞬きする。徐々に白い天井がはっきりと見えるようになってきて、今のが予知夢だったのだと確信していった。
私は子どもの頃から予知夢を見ることができた。双見家の女性はみな様々な形で未来を予知できるらしい。私は夢を見…
もくじ (7章)
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