ケーキはどこへ消えた??
第1章
「ちょっと! 姉ちゃん!!!!
オレのケーキ食ったろ!!?」
階段の上に向かって怒りをぶつけるのは健太(ケンタ)だ。
「何? ケーキ??
知らないわよ そんなの!
どこに置いてあったのよ!」
上階からいぶかしげな顔だけのぞかせているのは姉の祥子(ショウコ)である。
「台所の机の上だよ。
ほらひと口だけかじってある」
キッチンのテーブルにはケーキをのせた皿がひとつ。
ラップがやぶかれ、端が大きくえぐられた様子だ。
「今朝ボクが家を出るとき、残っていたのは姉ちゃんだけだ。
ケーキにラップをしたときは何もかじられてなかった」
ケンタは探偵気取りで状況の整理を始める。
「学校が終わって、最初に帰ってきたのがボク。
そのとき家は留守…
もくじ (3章)
作品情報
とある家庭に起こったちいさな事件。ひとつのケーキをめぐり謎が謎を呼ぶ・・・ってほどの話ではありません。SF(少し不思議)なストーリーです。
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