俺はヒーローになんかなりたくない
第1章
「……──見つけたぜぇ……!」
路地裏で俺を待ち構えていた他校の不良たちを睨む。
「来たな正田」
「オレたちの面子を潰した報い、受けてもらうぜ」
「どうでもいいわ、ンな話!」
俺に恨みがあるとかなんとか主張する目の前のヤツらは、無関係な転校生を拉致し、人質に取った上で、俺に喧嘩を吹っかけてきていた。
「大丈夫か!」
「もちろん! ていうかそれよりも──」
しかしながら当の転校生は、いつ不良たちに手を上げられてもおかしくないこの状況で、涼しげな顔で笑ったまま一言。
「ほーら、やっぱり来た。正田くん、ヒーローの素質あるよ!」
「…………なんかお前の思うツボって感じでほんとに嫌なんだけど」
──こんな時でも、ヤツは…
もくじ (2章)
修正履歴作品情報
ヒーローになりたくないヒーローの息子と、ヒーロー好きの転校生が出会う話
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