この夏が終われば
第1章
この夏が終われば、きっと私たちはすっかり元に戻っていくのでしょうね。だからといって痛いほどの後悔があるかといえば、決してそんなことなく、かといって寂しくないかと言えば、寂しいにも近い気持ちが泡立たないこともない。グラグラと揺れる二人の間には、一体どんな絆が生まれるというのでしょう。
大学2年生、すっかり中だるみの7月。あんなにはしゃいでいた新入生たちがちょっとずつ、でも確実に落ち着いていくのを横目で眺めながら、次の講義へと向かう。向かう途中、私もあんなに、無邪気そうにはしゃいでいたことがあったかしらと過去に思いを巡らせても、そんなキラキラした思い出は出てこない。大学と家と、それからバイト先とを…
もくじ (1章)
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