ダサすぎるラブレター
第1章
「ねえ、何をしてくれるの?」
彼の口ぐせだった。
彼がヒットを打つたび、待っていた私のところに来て彼はそう言った。
「おそろいのアクセサリーちょうだい。」
「手作りの料理作って?」
「あ。本命チョコ欲しい。」
「頬をつねっていい?」
「モーニングコールしてよ。」
「ちゅうして。」
少しずつ。ほんの少しずつ。
恋人のするようなことを頼むようになっていった。
「彼氏と別れてよ。」
「デートして。」
「君の部屋に行きたい。」
私たち恋人じゃないのに。
って抵抗感があったけど、彼のそのお願いは嫌じゃない自分がいた。
「君からのラブレターが欲しい。」
一度も彼から、私のことが好きだと聞いたことはない。
私も彼が好きだといったことは一度…
もくじ (1章)
作品情報
生まれて初めてラブレターを書いた。
書かなきゃよかったって思うくらいダサい手紙で、そんな私は死ぬほどダサい。
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