ペーパークライシンドローム
第1章
夏靴で雪を踏んだ。さほど足跡は変わらない。裸足が溶けた汚水を飲み込むのか。さすがにお腹を壊したろう。少し震えて。きっと頭を抱えているか。
一昨日まつ毛が腕時計を買った。重いのなんの、ホタテが食べたい。
耳に聞いてもそうはいかない。こちらは水が飲みたいと申す。まぁあいつは鼻がないから、酒でも飲ませて黙らせればいい。
厄介なのは鼻の野郎だ。なんせあいつは鼻が利く。昨日はガソリンを嗅ぎつけたんだ。楽しみにしていたのに取られたよ。
あぁまただよ目が騒ぎだした。あいつはいつも大袈裟なんだ。眩しいだとかからいとか。またそうやってゴミを増やす。そのくせ顔色ばかり伺ってぺこぺこぺこぺこ調子がいいんだ。あれがいいとか…
もくじ (1章)
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紙粘土症候群
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