完結

灰色の香り

恋愛

更新日:2020年2月16日

灰色の香り

第1章 死神と煙草


 私が『わたし』である事を、私は知っている。

 私が『何が好き』なのかを、私は知っている。

 私が『何者』であるのかを、私は知らない。

 生まれた時の記憶なんて物はなくて。
 いつ生まれたのか、なんのために生まれたのか、私が『わたし』である事を知っている私は、『わたし』について何にも知らない。

 何にも知らない私を、楽しくさせる物がひとつ。
 それは人の「死」だった。
 不思議と人の「死」が私を落ち着かせた。

 時には、才能を欲する青年に、寿命と引替えに才能を与えた。
 しかし、才能を欲していた彼は、その丈に合わない才能を望み、願ったその時、寿命が尽きてしまった。
 あれは実に滑稽だった。
 才能に憧れ、才能を探して、その中で才能が…

もくじ (3章)

修正履歴
  • 第1章 死神と煙草 第1章 死神と煙草

    第1章 死神と煙草

    2020年1月27日

  • 第2章 少女と煙草 第2章 少女と煙草

    第2章 少女と煙草

    2020年1月27日

  • 第3章 死神様と煙草 第3章 死神様と煙草

    第3章 死神様と煙草

    2020年2月16日

作品情報

うまく吸えない煙草の匂いは、何故か私を落ち着かせる──

※この作品は「満月の夜に揺蕩う」と「朝のお掃除」と「僕は君の為に」という作品に関連しています。

物語へのリアクション

お気に入り

2

読書時間

6分

コメント

5

リアクション

18

関連作品

このページの内容について報告する