完結

はじめの一粒

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更新日:2020年2月12日

はじめの一粒

第1章

このベンチを見つけるまで、ゆっくり空を眺めることはなかった。
あいつが隣に座るまで、風にちぎれて流れる雲に、名前があることを知らなかった。
梅雨の晴れ間の青空を今、あいつは誰と眺めているんだろうか?
また泣いたりしていないかい。俺はまだ隣を空けて座る癖が抜けていないけれど。

高校の旧体育館の裏に、昔は屋根付きの渡り廊下だった名残りのコンクリート通路がある。
雨ざらしになったそれは、ジグソーパズルのようにヒビが入り、人が通らないから苔が生え、
開かずの体育倉庫に続いていた。
体育倉庫の裏は死角になっていて、学校を囲うブロック塀と体育倉庫との四メートルの間を
爽やかな風が通り抜け、倉庫の壁に沿わせて誰かが置いた…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年2月12日

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