完結

5月の夜

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更新日:2020年5月10日

5月の夜

第1章

夏になる前の、風の強い夜。
バイトが終わって、帰り道。今日は店が暇で、まだ体力があまっていて、でもこれから出かけるには時間が遅すぎる。
外の空気を感じていたいが、遠出するには足がない。車の免許はもっていないのだ。
5月初旬。夏と呼ぶには早すぎるが、春と呼ぶには暑すぎる。梅雨と呼べるほど空気は重たくない。そんな夜。夕方に降った雨上がりの匂いをかすかに残したまま、薄く覆う雲とまだ少しだけ残っている街の光の間を縫ってゆらゆらと歩く。

今日はちゃんと声を出していない。

起きたら午後で、何もしなかったけだるさにこの後働くから、と言い訳して、のろのろと薄い化粧を塗り、パジャマからTシャツに着替え、パーカーを羽織っ…

もくじ (1章)

修正履歴
  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年5月10日

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少し遠い、ぬくもり。

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