男というものは
第1章
男というものは
それが親父の口癖だった
男というものは
何が起きてもドンと構えているべきだ
男というものは
一度決めたら最後までやり通すべきだ
男というものは
弱さを他人には隠すべきだ
男というものは
仕事終わりの一杯が生きがいなんだ
そう言って
いつも親父はニィッと笑ってみせた
「大丈夫?今日ぐらい無理しなくていいんだよ?」
「あぁ、母さん。大丈夫だよ。父さん言ってたじゃないか、門出に涙は縁起悪いって。俺は大丈夫だから…」
男というものは
涙は死ぬまで流さない
ニィッと笑ってみせてやれ
そうだよな、父さん…
あぁ、雨が降ってきやがった
もくじ (1章)
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