完結

染み付いた香り

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2020年6月5日

染み付いた香り

第1章


 まただ。

 そんなことを、僕は思う。ピンポーンとなったと思い玄関を見てみれば、たのんでもいなければ送り主もわからない届け物が届いた。

「お届け物でーす」

 語尾を呑気に伸ばす配達のお兄さん。お兄さんに罪はないのに、なんだかそれがいらいらする。

「あ、ありがとうございます」

 けれど、それは僕の勝手な押し付けで、エゴであって、彼に押し付けてはいけない。だから僕は、サインを書いて、早急に帰ってもらうことにした。

「ありがとうございます」

 帰り際にお兄さんが僕に向けてそう言った。なんだか、心の狭い僕が浮き出ている気がして、少しだけみじめに思えてきた。
 あて先は僕。送り主は不明。
 もう何回目だろう。それすらわからなくな…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年6月5日

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