完結

「月がきれいですね」は通じない

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更新日:2017年11月8日

「月がきれいですね」は通じない

第1章

金曜日は、特別講義があって、校舎を出ると夕暮れだった。バイトまで時間があるから、フラフラと通用門へゆっくりと歩いていく。

見上げた空には、ほんのりと西の空に残る赤紫の層雲と、今光り始めた金星が輝いている。振り向くと、そこには、大きなオレンジ色の丸い物が浮かんでいる。

満月である。山の稜線にまばらに生えている杉の木が、丸いオレンジをギザギザに切り取っている。

顔だけ振り向いて、じっと満月を見ていると、背中を叩かれた。

「あ、ツキだ。」

顔を元に戻すと、茜色の雲に照らされて複雑な色に光る細い髪に縁どられたユウコの顔があった。形の良い眉から下は、ボクの落とす月の影に入っている。

「なあに?」

ちょっと左に傾…

もくじ (1章)

修正履歴
  • 第1章 第1章

    第1章

    2017年11月8日

作品情報

漱石の”I love you”は、文学的素養が必要だ。だから、通じない人の方が多い。
だけど、月は告白のキーワードなのだ。

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