おにぴよ
第1章 1話 呪いか魔法か
その日は地震で目を覚ました。まだ薄暗い早朝、先週から続く長雨の音が部屋に響く。お祈りの時間にはまだ早いけれど、地震のこともあったので、潔く布団を離れて祈りの間に入り、少し長めにお祈りを捧げた。
僕は福介《ふくすけ》。人々を厄災から守護する鬼。鬼ではあるけれども、神の中の神そして僕の上司にあたる大神様《おおがみさま》から守護のお役目をいただいた神様だ。自分に“様”をつけるのも気恥ずかしいしおこがましいけれど、人々がそう呼んでくださるので大目に見てください。
朝食を終えると、窓の外が明るくなっていることに気づいた。ようやく、雨が止んだ。雲の合間から覗く淡い空色を見て心が踊り、すぐさま玄関のドアを開け…
もくじ (1章)
作品情報
大きな僕(神様)と小さな君(幸運の鳥さん)のおはなし。
とあることをきっかけに、僕らは人になった。僕らにはたくさんの違いがあって、たくさんの共通点もあった。だからこそ、僕らは出会った。君のおかげで、信じることの素晴らしさを知ったよ。たとえさよならの時がきても、僕らはずっと一緒だよ。
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