無理難題
第1章
「ねえ、ちょっとだけすべる話してよ。」
彼女はいつものように僕に無理難題をふっかけた。
家が隣同士なこともあって、彼女とは昔から家族ぐるみの付き合いがある。
おまけに小中高と同じ学校なので、当たり前のように毎朝一緒に登校していた。
そしていつからか、彼女はこうして毎朝僕にお題を投げかけるようになった。
昨日は確か『抱腹絶倒する話』だった。
僕は一度も彼女のお題に答えられたことがない。
「ちょっとだけすべる話ってどういうこと。ふとんがふっとんだみたいな感じ?」
「それじゃあ完全にすべってるじゃん。もっと絶妙なすべり具合のやつが聞きたいの。」
「ってか、何でいつも俺ばっかが話を考えなきゃいけないんだよ。お前も何か…
もくじ (1章)
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