少し先の憂鬱
第1章 僕は僕の事を、どれだけ知っているんだろう
週末はいつものように、二人で過ごす。
東京スカイツリーを右手に、夏には沢山の人々を魅了して止まない花火の見れる、川の側にある僕の1Rのアパート。
何か特別な用意などしない。ただ『会う』ことが義務のようになっていた。
出会って4年になる彼女とは、共通の話もなかったが不思議と違和感はなく、むしろ僕はそれを自然に受け止めていた。
僕は彼女との日々を、忘れてしまったわけではなかった。
朝、一緒に目覚める。
近くのコーヒーショップでモーニングをテイクアウトする。
昼過ぎまで、なんとなくお互いが気になる映画を見る。
夕方まで僕はカメラの手入れをして、君は分厚い本を片手に時々、大きなため息をついたりする。
こんな他愛もな…
もくじ (1章)
作品情報
足並みを揃えて、一歩を踏み出す。
二歩めからの違和感は どんなに足掻こうとも
もう、それぞれの路へと繋がれていく。
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