星原に吹く小夜風
第1章
東京は奥多摩に聳える雲取山に新設された天文台の巨大電波望遠鏡が、かざぐるま座の方向から発される高速電波バーストを観測したというニュースは、たちまち日本中に旋風を巻き起こした。
高速電波バーストとは非常に強い電磁パルスの事であり、未知の天文現象の一つである。
正確な放出場所は不明だ。
が、持続時間がたった数ミリ秒しかない、太陽5億個分のエネルギーを持つ電磁パルスが、なんと東京をピンポイントで狙ったそうなのだ。
誰かが意図的に放ったのかは不明なので『狙った』と形容するのは適切ではないかもしれないが、日本中では専ら『狙った』という表現が多用されていた。
というのも、この電磁パルスは宇宙人によるものとする説が…
もくじ (1章)
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