完結

淡く脆い

恋愛

更新日:2020年8月8日

淡く脆い

第1章

東京タワーなんて見えない、ワンルーム7万円の小さな部屋。

そこに二人は住んでいた。

家の前の消えかかった街灯は、その足元だけを弱々しく照らした。



君は何度も僕に尋ねる。


「どうして私ばっかりこんな目に」

「どうして私は幸せになれないの?」


「どうして…どうして…?」


君が"どうして?"と尋ねるたびに、答えは僕の心の奥に沈んでいった。

どうしてって言いたいのは僕の方なのに。



思えば二人の波形は初めから重なってなどいなかった。


あの日。

あの場所で。

それは偶然に。

瞬間的に。

僕と君の一点が儚く深く交わっただけだった。


君を何度も分かろうとしたし、分かってもらおうとした。

波形がとっくにずれていることは気付いていたのに、…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年8月8日

作品情報

気付かないフリだけ上手くなっていた。

物語へのリアクション

お気に入り

0

読書時間

2分

コメント

8

リアクション

27

関連作品

このページの内容について報告する