完結

人間の化け物

その他

更新日:2020年8月11日

人間の化け物

第1章

「あの、このあたりで落し物しませんでしたか?」

「落し物?」

「はい!あなたの命、落としませんでした?」

軽やかに布が揺れ、
重そうな髪も波のように形を変えて、柔らかく重力に逆らって遊んでいる。

その儚さからは想像ができないほど大げさな動作と喋り方に、つい興味を持ってしまった。

ラムネみたいな声を懐かしく、仮面のように変わらない笑顔をほんの少し気味悪く感じた。

「いえ、落としてないですけど…」

なぜそんな事を聞くのか疑問に思うより前に、口が動いた。

「そうですかぁ、これから落としたらどうするんです?死んだ後のこと、今決めとかないと」

僕は10年前の夏を思い出した。
セミがうるさい神社、木漏れ日の下にいた少女。

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年8月11日

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