星の見えない怪物
第1章 プロローグ
仕事からの帰り道
聞き覚えのある高く透き通った声が、夜風に乗って耳に届いた
僕は手招きされるように音のする方へ歩く
着いたのは帰り道の途中にある神社だった
なぜ神社から声が聞こえるのだろう
恐怖と興奮が入り混じったような感情を抱きながら、薄暗い神社の中に足を踏み入れる
玉砂利が敷かれた参道を進みながら、その音のする方へ視線を向けると、仮面をした少女の姿が目に入った
その少女は雨に濡れた白いワンピースを揺らして、夜空に手をかざしながら歌っていた
この世のものとは思えない光景に足を止め、息を呑んで魅入っていた
僕はあの時なぜ君に声をかけたのだろう
これは、とある作曲家と怪物の物語
もくじ (10章)
作品情報
とある作曲家と怪物の物語
物語へのリアクション
お気に入り
97読書時間
26分コメント
75リアクション
1532