きらきらにひかる
第1章 1章
今思えば、その日はずっと胸騒ぎがしていた。
普段ではあり得ないミスをして、慌てて計算をしなおす。
その日に限って、ランチを食べる時間を失ってて、カバンの中にお弁当もスマホも入れっぱなしだった。
だから、父からの何十回という不在着信と留守電の存在に気がついた時には、会社の電話が鳴っていた。
同僚は少し真剣な顔で
「ご家族から、急な感じ……」と、私に繋ぐ。
受話器をとると、聞き慣れない声が私の父だと名乗る。
続く言葉が耳に冷たく響く。
その後のことは詳しくは覚えていない。
私を見かねて、上司が病院まで送ってくれたことだけはかろうじて記憶にうっすらある。
共働きの私たち。
夫は今日はお休みだったから、娘の保育園はお休み…
もくじ (3章)
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