キャベツの映画
第1章 キャベツ
キラキラにひかる
「キャベツの映画を見よう」
そう言ったじいちゃんの顔は最近どこかぼんやりとした顔をする日の多かった姿からは想像も出来ないほど輝いていた。
一体全体キャベツの映画ってなんなんだろう。じいちゃんは別にキャベツ農家なわけでもなければ八百屋でもない。
長く務めたタクシー運転手を病気で引退し、それでも真面目な性格をかわれて管理部門で再雇用してもらった、というだけの普通のじいちゃんだ。
「じいちゃんどうしたの?あ、今日が何曜日か分かる?」
「どうしたんだ、なつみ。今日は水曜日でキャベツの映画を見るにはもってこいの日だよ」
どうやら本気で言っているようだ。白髪の混じった髪とニコニコと笑うじいちゃんを見…
もくじ (1章)
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