星屑の子
第1章 プロローグ
昔々、ある所に、マルタという醜い男がいました。
マルタの顔や身体の皮膚は、生まれた時から皺くちゃで、髪は色素が全て抜けきったような真っ白な色をしていました。その姿はまるで老いぼれのようでした。
誰もが彼を「呪われた子」と呼び、忌み嫌いました。
実の両親でさえ、彼を愛しませんでした。彼らは、自分たちと似ても似つかぬ赤子の醜さに、恐れ慄いたのです。酷い彼らは、笹の葉で編んだ籠に我が子を入れ、川に流してしまいました。
親に捨てられたマルタは孤児院で育ちました。そこでも彼は、子どもたちに虐められる日々を送ります。マルタは毎晩、悲しみの中で枕を涙で濡らしました。
マルタの唯一の友達は、琵琶(びわ)という弦楽器だ…
もくじ (18章)
修正履歴作品情報
神様がどうして七夕に願い事を叶えてくれるのか知ってる?
実はね、あれは子どもが自分の元に帰って来たお祝いのためなんだ。
誰の子どもかって? 野暮だなぁ。織姫と彦星の子どもに決まってるだろう。
これは『星屑の子』と呼ばれた、この世で最も悲しく美しい子どもたちの物語だ。
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