銀の旗振る水面たち
第1章
14歳の夏、初めて先生に反抗した。
隣町の臨海中学のプールサイド。
水泳の市大会の最中だった。
プールの中では、女子メドレーリレーの予選をやっていた。
9月で、とにかく暑くて、太陽が真っ白に輝いていたことを覚えている。
「お前ら、応援せえへんのやったら帰れ」
僕たちは、いきなり副顧問に怒鳴られた。
フェンスに引っかけたブルーシートで作った大久保中学の陣地から、プールサイドの焼けついたコンクリートのザラザラの上に引っ張り出されたのだった。
今、大人になって考えれば、確かにチームメイトが泳いでいたのだから、この先生の言うことは、まあ間違ってはいなかったのかもしれない。
だけど、そのときその瞬間の僕には、なんだか…
もくじ (1章)
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