完結

星のない夜

恋愛

更新日:2020年8月30日

星のない夜

第1章




 もしも1つだけ、願いが叶うとしたら……
 私はこう願うだろう。


「貴方と共に星になりたい」と。


 夜空は霞のような淡い雲に覆われ、その隙間から覗く満月は妖しく煌めく。


 ベランダに映る1つの影は、月の光を頼りにゆらゆらと揺蕩っていた。


 もしも1つだけ、願いが叶うとしたら……
 私はその温もりを求めるだろう。


 独りになったこの世界で、私は星のない夜に一滴の涙を零した。



──────────
─────



『人は死んだら何になるの?』

 数多の星が煌々と輝く夜空の下。寄り添い合う2つの影は、ベランダの床材を色濃く染め上げる。

『善良な人は星になるんだ。ほら、あの一番輝いている星は母さんだよ』

 一際目立つ星を指さす父の瞳には寂し…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年8月30日

作品情報

「もしも1つだけ、願いが叶うとしたら」

物語へのリアクション

お気に入り

5

読書時間

13分

コメント

12

リアクション

54

関連作品

このページの内容について報告する