雨消
第1章 ー
あめ-けし【雨消】アメケシ 名 雨の日にいなくなること。
引っ越し終わりの次の日、散策中ふらっと入った古本屋さんに置いてあった辞書をおもむろに開いたページに奇妙なワードが記されていた。僕の頭には電池切れの閃きが羅列していた。聞き慣れない言葉だった。
雨の日にいなくなるなることとわざわざ辞書に書いてあることが不気味だ。しかも、2018年に出版された最近の辞書に書いてある。昔だったら多少こういうものが書かれていても不思議には思わないだろう。
僕は真相を確かめるため帰宅し、前の学校で使っていた2019年出版の辞書を一目散にめくった。しかし、そこには何も書いていなかった。
「何で書いてないの?」
怖くなった。…
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