きらきらを集めて
第1章 1
「ねえ」
という声で気がついた。
「……ぅうん、ん?」
身体を起こすと、ズキズキと頭が痛んだ。
ひどい悪臭が鼻をつく。わたしは何処かの暗闇の中にいるようで、周りを見回しても何も見えない。
「ここは、どこ?」
頭にボンヤリと霧がかかったようで、記憶がはっきりしない。わたしは暗闇に向かって問いかける。
「ここは、流れ着くところ」
と、すぐ傍で声がした。
獣の唸り声にも似た、低く濁った声。
「流れ着くところ?」
「うん。いろんなものが流れ着く。いらなくなったものとか」
その言葉に胸の奥がチクリと痛んだ。
いらなくなったもの。不要な物。それはつまり、わたし自身。
「わたしも流れ着いちゃったってわけね」
「そうみたいだね」…
もくじ (4章)
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