続:タナトスの誘惑
第1章
その時、SNSメッセージの着信が場違いな音を立てた。
携帯をポケットから反射的に取り出した時、彼女の、空気を壊さないくらいの小さな優しい声が聞こえた。「見ないで…」
間に合わずもう目に入っていた携帯の画面には小さく、アイツの顔のアイコンが笑っていた。
やっと彼女と心が一つになれた瞬間だったというのに、心がザワザワし始めた。
(え?なんでこんな夜中にアイツから…?え、なんで今…?)
それは、僕がまだこんなに疲れ果てていなかったあの頃に、毎日バカ言って笑い合っていた連れだった。
いやでも、最後に話してから何年経ってるんだ?僕もアイツもお互いのことなんか思い出しもせず、新しい街で生きているはずなのに。
「ご…
もくじ (1章)
修正履歴作品情報
『タナトスの誘惑』で鳥肌が立ってSNSで薦めてしまうほどだったんだけど、ある人から「苦しんでいる人を支える芸術がこの世界の芸術のマジョリティになれば、世界はもっと生きやすくなる」という感想をもらいました。その言葉からヒントを得て、この物語をもう一度読み、彼女の希望に応える形の結末をこの世界に用意したくなり、私なりの続編を書いてみました。
元々のおすすめ記事はこちら http://peq-montreal.com/yoasobi-yoru-ni-kakeru/
そして、こちらの小説を書くに当たったきっかけを書いた記事はこちら。 http://peq-montreal.com/thanatos-struck-ii/
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