目をつぶると聞こえる あのメロディー
第1章 1
会社からの帰り道、どこからかギターの音が聞こえてきた。
その音が、あまりにも懐かしくて、私は、音に釣られてストリートミュージシャンの元へと足を向けた。
大学生くらいの男の子が一人で歌っていた。
「リクエストありますか。」
「じゃあ、○○で。」
私は、静かに目をつぶった。
私が彼に会ったのは、25才の時。
その日、私は、とにかく荒れていた。
「なによ!課長の伝達ミスのくせに、なんで私のミスになるのよ。もう、やってらんない。家でやけ酒だわ。」
仕事帰り、お酒を飲みながら同僚に散々愚痴を聞いてもらったが、なかなか怒りが収まらなかった。
そこで私は、駅前のコンビニでお酒を買い、家へ帰ろうとした。
すると、どこからかギ…
もくじ (5章)
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