セリフじゃなくて
第1章 1 セリフかよ。
「うわぁ、たまらん‼︎」
ドキドキと抑えられない胸の鼓動を打ち付けるように机をバンバンと叩く。
「だろ?」
向かいに座る明智はまるで自分の子供がかけっこで一位を取ったみたいに得意げな顔をする。
「いや、ほんっと明智のチョイスは最高」
ここは、部室。いや正確に言うと同好会室。
今は使われていないこの教室は、何年か前の卒業生達の落書きが残ったまま。
机の上はホコリまみれだし、椅子の脚もホコリまみれ。
そしてこの教室で活動しているのが、漫画同好会。
去年一年かけて私と明智で作り上げた同好会だ。
先生に何度も交渉、漫画の素晴らしさを熱弁、部員を集めようとしたこともあった。
あの苦労は忘れられない。
結果は部員2人の同好会と…
もくじ (5章)
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