完結

薄明にしたためるメッセージ

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2020年10月3日

薄明にしたためるメッセージ

第1章

『こんばんは。
 じいちゃん、お久しぶり。
 そちらの天気はいかがです?
 こちらはね。雨が降りそうで、なかなか降ってこないですよ』



 深夜といえど、現代の夜はそこそこ明るい。
 こんもりと敷き詰められた闇色の雲は、色褪せた街灯の光を反射して、薄明るく光っている。
 自分のように特に目が良いわけでもない凡人が、おおよそ周囲の様子を確認出来るほどの暗さであるにも関わらず、やはり暗闇の中にいると不安だ。

 蛍雪の功なんて、よく言ったものだな。
 現代の世でもこうなのだから、昔の人が過ごした夜はもっと怖かったんだろうな。

 ぎっしりと袋に詰めた新聞を積んだ自転車を漕ぎながら、私はいつも思う。
 ひんやりと澄んだ、少し湿ったような夜…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年10月3日

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