夕陽が裏
第1章
失恋よりもずっと哀しいのは
あなたと同じ「時間」を
あなたと同じ「世界」を
生きられないこと。
突然現れて
心を奪って
こんなに、こんなにも奪って
そして突然消えてしまった。
この心を置き去りにしたまま。
1.
それはいつもと同じ帰り道だった。
大学での授業を終えた私は、バスと電車を乗り継いで、家へと向かっているところだった。
私の家がある終点まであと四駅。ちょうど睡魔が襲ってくる。寝ちゃ駄目だ、あと少しなんだから…
「ゆうひがうら、ゆうひがうらー。終点です。どなた様も、この駅でお降りください。」
聞き慣れない駅名に、ハッと我に返る。
やだ、やっぱり寝てしまってたみたい。
私は慌てて電車を降りると、すぐに妙な違和感を覚えた…
もくじ (1章)
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