ズータカイーズ
第1章 ズータカイーズ
「頭がたかーい」「下々のものよー」「頭を下げーい」
朝、音無き声がどこからか全社員の脳裏に浮かぶ。
今日もオフィスでその女人三人組が通る時、
思わず誰もが道を避け、頭を下げる。
彼女たちが歩くときだけ、廊下はランウェイ。
位負けという言葉がふさわしいほどに、周りの社員たちはその身を自ら客席に沈ませる。
脂ぎった後光に身を竦ませて、ある日突然名付けられた彼女たちのトリオ名は、
「ズータカイーズ」
もちろん彼女たちは知らない。
社内で通称される彼女たちのストーリー。
語り手は、客席にも座ることができない、彼女たちの直属の部下であるこの私。
客席より後ろから、指図を受けながらその様子を見つめている。
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もくじ (1章)
作品情報
「頭が高い」マウンティング女子トリオ。通称「ズータカイーズ」
私のやるせなさの供養のために、笑ってください。
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