君にブーケ
第1章
とある街のとある交差点にはこんな噂がある。
願いを叶えてくれる、女の子の幽霊がいると。
それが、私だ。
ある日、どこからか来た知らない女の子が、たまたま私がいる場所で願いを呟いた。
曰く付きの場所だと知っていただろうに、なぜそんな場所で願ったのかは今でも分からない。
その願いはしっかり聞こえていたけれど、何も触ることのでない私にはどうすることもできなくて、せめてもの思いで、ひたすらその子と一緒に願った。
すると何の偶然か奇跡か、その子の願いが叶ったらしく、数日後には丁寧にお礼を言いに来た。瞬く間にその話は不思議な噂となって広がり、色んな尾びれが付いたり離れたりしながら、私はいつのまにか「願いを叶えてくれ…
もくじ (1章)
作品情報
涙があるから、君は、きらきらひかっている。
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