私たちの別れは現実の色をしている
第1章
本当は心のそこから愛しい、もっと触れ合いたい、たくさんの感情を分かち合いたい。でもそれはもう許されない。
もう私は、別れを決意してしまったから。
この気持ちに果てはあるのかと、彼に会うたびに考えてしまう。私は自分の欲望に正直だ。欲を彼に押し付けて、自分だけ満たされようとしている。
窓の外は真っ暗、昼間は小学校の通学路になっているので子どもたちの明るい声が響いているけれど、それが思い出せないくらいの静寂が広がっている。
気を抜くと深夜の闇に吸い込まれそう。
これ以上窓の外をみていたくなくて寝返りをうつと、色素の薄いまつげの長い端正な顔をした彼の顔が目に入る。
寝苦しそうな様子はないかと気にして、彼の顔をの…
もくじ (6章)
作品情報
よくある、気になっていた彼はなんと! 御曹司だった〜! って流れ。あれ現実的に考えると付き合い続けるの難しくないですか? 特に心根が優しい子だったりすると彼のことを考えて自分から身を引く選択をしそう……。そんなことを考えて書いたのが本作です。
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