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日本最古のソフトクリーム 完結

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日本でソフトクリームが化石として発見された。

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    「本日未明、山マル県サンカク下市シカク横町で、化石が発見されました」

  私がニュースを垂れ流ししていると、そんな話題が耳に入って来た。このニュースを聞いた最初の感想は「は?」だ。まあ、私以外の人間共も、殆どが同じ感想だろう。

  思わず、画面を見てしまった私は、その化石を見た瞬間、現実と切り離された。

「ようこそ、ソフトクリーム工場へ!」

  意識を取り戻し、ぼんやりした頭に、馬鹿みたいにご機嫌な口上が叩き込まれる。ゴキゲン中飛車だって、もう少し落ち着いているだろう。知らんけど。

  私がゆっくりと声に顔を向けると、頭のおかしいピエロが立っていた。メイクだとは分かっていても、寝起きの目に溢れんばかりの配色はキツい。

  これは、新手のアラームなのだろうか。もしそうなら、一発で目が覚めるので、高評価をやってもいい。しかしどうせ起こされるなら、頭のおかしいピエロの格好したオッサンより、肉感の素敵な美女の方が嬉しいので、総合評価はCマイナスと言ったところだろう。

  案内をしてくれるオッサンは、チョコレート工場のチャーリーだけで充分である。さしずめ「○ャーリーとソフトクリーム工場」と言ったところだろうか。どんなクソコラボだ。

「君達には、この工場を見学する権利が与えられた!これは、実に名誉なことだよ!」

  君……達?だと!

  周りを見渡すと、私以外に後四人。私を含めて総勢五人が、このピエロに呼ばれたようだ。

「理解できない事を、無理に理解しようとすると死ぬよ?君達は選ばれたんだ!もっと喜んでよ!」

  部屋に居てテレビを見てたはずの人間が、気を失い目覚めたら、訳の分からないことを口走るピエロに歓迎された。

  この状況を手放しで喜べる大人が居たら、そいつはきっと、意識が夏休みに違いない。

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とじる

「先ずは、ソフトクリームの歴史を見に行こ〜!」

  全員が呆然としてる中、このピエロだけが、嫌に高いテンションだ。

「あれあれ〜皆どうしちゃったのかなぁ〜『はーい!』って元気良くお返事しましょ〜ね〜!」

  アハアハアハ!と笑ってるピエロは実に不気味だ。人間と思わしき生命と対峙して、吐きそうになった経験は、未だかつて無い。何だこの胃のムカつく笑い声は。こいつ本当に人間なのか?

「貴方一体何なの!ここは何処なの!帰らせなさいよ!私は工場見学何てしたくない!予定があるの!」

  一人の女性が、矢継ぎ早に質問と不満を飛ばした。そして、女性は一瞬で静かになった。物理的に。

  ピエロが、何処からともなく取り出したステッキが、彼女の額を貫通していたのだ。

「あぁ〜困りましたねぇ〜眼前で止めるはずが、貫いちゃいました!アハ!」

  人を殺めておいて、この気楽さ。本来なら、女性の無惨な死に、酷く動揺するはずなのだが、驚かなければならない事が多過ぎて、感情が付いて来ない。

「う、うわぁ〜!」

  叫び声をあげながら逃げていく、大学生ぐらいの男。私だって、出来ることなら一目散に逃げ出したいが、足がいう事を聞かない。

「無闇に歩き回ると〜危ないですよぉ〜!」

  ホッホッホと笑うピエロ。勿論、男がそんなものに聞く耳を持つはずがない。男が赤いラインを超える。その直後、男はその辺に生えていた植物に、真っ二つにされた。

「さぁ、皆さん!ソフトクリームの歴史を見に行こ〜お返事はぁ〜?」

  そこに残った全員が、強制的に元気良く「はーい!」と言うまで、壊れた、ラジオの様に同じ台詞を吐き続けた。

  ピエロに逆らってはいけない。

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とじる

  私と、高校生ぐらいの男の子、二十代前半ぐらいの女性が残り、ピエロの後ろを注意深くついて行っている。

  会話は無い。

  当然だ。あんな光景を見せられて、和気あいあいと話が弾むはずが無い。たった数分で、目の前で人が2人も死んでるんだ。目の前のピエロに、殺される恐怖を、全員が共有して無ければ、発狂してもおかしくない。

  「おやおや、皆様楽しそうで何よりです!」

  楽しいもんか、ふざけやがって。ピエロが歩きながら、時折立ち止まったりしながら、ソフトクリームの歴史を説明してくれる。ソフトクリームに関することだけは、すんなりと頭に入ってくる。ピエロの声のトーン、リズム、間のとり方、テンポ、艶、大小。全てが聴くのに適している。まるで、そう調整されているようだ。

  人を嬲っている時は、非常に人間味を感じられるのに今は機械みたいだ。

  恙無く工場見学は終わり、最後にソフトクリームの試食をさせてもらった。食べ終わった途端、ゆっくりと瞼が落ちる。人を容易く始末するピエロが出した食べ物を素直に食べるバカがあるものか。しかし、もう遅い。食べてしまったのだから。

  目が覚めると、私は見慣れた部屋でテレビを見ていた。ソフトクリームの化石の次のニュースは、二人の見知った顔が変死体として発見されたという報道だった。

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