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キケンなレキケン~モノカキ第一高校~ 完結

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合計:7

歴史とは年月を重ねれば何事にも生まれるもの。
部活動を発足するために、女子高生がある調査をしました。
一体誰にとって危険な歴史研究会なのでしょうか?

同じお題にてリレー作品のように続いております。
是非そちらもお楽しみください。

monogatary利用者なら分かるネタを使いたくなってしまい、
タイトルついでにオチもお借りしました。

1位の表紙

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「先生、出来ました!」

 女子高生特有のハイテンションな声が狭い部室に響き渡る。

 そんなに大声を出さなくても、目の前にいるのだから聞こえるに決まっているだろう。

 若さゆえの勢いの良さに少し眩しさを感じる。

「って、俺まだ28歳だろ」

「先生、出来ました!」

「そんなに大声出さなくても聞こえてるっての」

「だって、いっつも一回で返事してくれないじゃないですか」

 そうだっけか?

 まぁいい、とりあえず2時間待たされた原稿を読ませてもらうとしよう。

 うん………うん………うん

「ボツ」

「なんでですか?! 読み始めてまだ1分も経ってないじゃないですか!」

 いや、何がだめって―――

「出だしからして既にダメだろ。一応聞くけど、お前今、自分が何書いてるのか分かってるか?」

「当然ちゃんと覚えてますぅ。歴史研究会を発足するための実績作りとして、新聞形式の記事を大会に応募するんですよね」

 そうだ。

 その通りだ。

 何も間違ってない。

 なのに、なぜこうなった。

「じゃあ改めて聞くが、このタイトルは何だ」

「『歴代の校長の頭髪の歴史に迫る!』 ………うん、我ながら傑作ですね」

「どこがだ?!」

 あらかた調べて記事もほとんど出来てるから、あとちょっとだけ待って欲しいというお願いを素直に聞いた俺が馬鹿だった。

 この2時間、俺は何を待っていたのか?

 まずは内容を初めに聞いておくんだった。

「というか、お前よくこんなこと調べられたな。歴代の校長の頭髪の資料なんてどこにもないだろ」

 あったら見てみたい気もしてきた。

「何を言ってるんです? あるに決まってるじゃないですか。校長室の壁に写真が並んでますし、教育委員会に問い合わせれば歴代の校長先生の情報くらい手に入りますよ」

「写真は言われてみれば確かにあったな……え、教育委員会?」

 校長室に入るなんて、教員の俺でもめったにないというのに、こいつよく知ってたな。

 いつも緊張してたから壁の上に並ぶ写真なんて気にしたことなかった。

 というか、教育委員会? そんなところに問い合わせるほどの熱意を何故校長の頭髪に向けた?

下手にそういう才能があるから厄介なんだよな、こいつ。

「で、何が問題なんですか? タイトルも先生のいう通りキャッチーなモノにしたし、きちんと事実確認と私の推察もいれましたよ」

 事前にアドバイスした点は完璧にこなしている。

 タイトルは……内容は別として確かに目を引く。

 少なくとも、俺なら試しに読みたくなる。

 いや、この学校内なら全生徒の注目を集められそうだ。

 ‥……悪い意味で。

 そして、内容。

 こいつ、教育委員会だけでなく歴代の校長に直接面会して事実確認してやがる。

『先代の校長先生はいつから今の髪型になったのでしょうか?』

『確か、50を超えた頃に白髪が混ざり始めたので、アクセントとなるように横に流すようにしたのがきっかけです。その年齢に相応しいものにしようとした覚えがあります』

『それがバーコードの悲劇を生みだしたのですね。ちなみに、2代前の校長先生はカツラですよね、その経緯を詳しく』

『実は40代で禿げ始めたので、流石に早すぎると考え……』

『それが夕焼けのズラスライド事件の始まりと』

 歴代の校長は何故こんな馬鹿らしい質問に素直に答えているのだろう。

 ここまで馬鹿にされてなぜ怒らない。

 何か弱みでも握っているのか?

 その後の推察とやらは、既にお亡くなりになった歴代校長達の肖像画と実家に残された写真を手に入れて、禿げ始めた年齢の特定やその髪型を選んだ理由を時代の傾向から考察していた。

 訳の分からない内容にここまで熱意を燃やせる理由が分からない。

「で、何が問題なんですか? タイトルも先生のいう通りキャッチーなモノにしたし、きちんと事実確認と私の推察もいれましたよ」

「だから、聞こえてるって」

 何が問題って、そうだな、自明なのにわざわざ口にしないといけないのか。

 端的にいえば―――

「お前校長先生に喧嘩売ってるだろ」

「売ってませんよ」

 部活動認定するのに、最終的に許可を出すのは校長先生だ。

 何故そんな相手を対象にしたテーマを自分で考えたのか。

「校長先生にはインタビューの際に部活動の認可を頂きましたし、大丈夫ですって」

 こんな内容を世に出回らせたら、バズることはあっても優勝することはないだろう。

 そして、その時に監督責任を押し付けられるのは………

「おい、書き直しだ、書き直し! テーマから考え直すぞ、今度は俺が最初から最後まで付き合ってやる」

「えぇ、私の話聞いてました?」

「当たり前だろう。ほら、作品の応募期限が近いんだ。さっさと始めるぞ!」

「まぁ、楽しいからいっか」

 そもそもこんな、俺の経歴的にも学校の評判的にも、危険な歴史研究会を作る方が間違いかもしれないが、引き受けたからには仕方がない。

 可愛い姪……もとい生徒のためにも力を尽くそう。

「やっしー先生、次のテーマは歴代副校長先生の浮気の歴史で行きましょう!」

「お前は俺を無職にしたいのか?」

修正履歴

  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/03/21)
  • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/03/20)

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7

第三高校をUgyoさんが書いて下さるとは! 誰も続かないかと思いきや、名立たるモノカキさん達が乗って下さり嬉しい限りです。

作者:爪隠し

2018/3/21

8

表紙を投稿させて頂きました。
とても面白い話だったので……!!

カンリ

2018/3/21

9

投稿直後にオススメして下さり喜んでいたのですが、さらに表紙までつけて下さるとは! 今monogataryで一番理想的に遊んでいる自信があります\(^o^)/

作者:爪隠し

2018/3/21

10

あー面白いです!!最高です!!時間があれば第七高校あたりを担当したいです\(^o^)/

緒川ヒカリ

2018/3/21

11

感想&オススメありがとうございます! 是非書いて欲しいです! 第七高校まで続いていくことを一緒に祈りましょう(笑)

作者:爪隠し

2018/3/21

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とじる

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