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人間様お断り☆

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マイペースな女の子が恋と真実を知っていく

1位の表紙

2位

目次

  • よく晴れた闇に君と出会う

    修正履歴

    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/08)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/07)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/07)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/06)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/06)
  • 曇った心で考える。

    修正履歴

    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/08)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/08)
  • 雨が降ったら、傘を捨てよう

    修正履歴

    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/06/24)
    • 改稿により一部内容が変更になっている箇所があります。(2018/04/15)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/14)
    • 誤字、脱字の修正をおこないました。(2018/04/14)
    • 内容に影響のない範囲で、一部表現の変更や追記をおこないました。(2018/04/14)

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よく晴れた闇に君と出会う

私は見た。この目でしっかりと。というか

今、目の前にいる。毛むくじゃらで大きい、まさに──雪男だった。

昨日、私たちは修学旅行のため北海道に着いた。

雪が激しく舞っている頃だった。

しかし、今日はお天道様もご機嫌のようだった。

おかげで、雪山の大きなスキー場でスノーボードを楽しむことができる。

ドッシャンッッッ!!

「みき、へったくそ〜!」

「大丈夫かぁ?」

いててっ、木に思いっきり衝突。

「いや〜全然大丈夫!!あはは~」

と私は苦笑いを浮かべつつチラッと右斜め前方を伺う。

よかった~りんは見てないや。

「なになに??また、リンくんのこと見てるの??」

「ちっ、ちが……ぅ……」

しかし、幼なじみのゆきこは「わかりやすいな〜みきは♡」

と言って私の頬をつついた。

自分の顔がとても紅潮していることがわかる。

りんは他の友達とお話に夢中だった。

「よっしゃみき!もっかい滑るぞー!!」

ゆきこはそう言い無理やりみきの腕をぐぃぐぃ引っ張り上を目指していた。

みきはそんなゆきこの前しか見ていないような

でもちゃんと下にいる私たちを引っ張ってくれる姿に居心地のよさと

憧れを感じていた。

「まったくぅ!そろそろ認めなさいよね!」

ゆきこは少し登ったところで急に振り向き、眉をひそめて言った。

「へっ?なにを??」

「リンくんのことに決まってるでしょ」

──ほ。胸にキュンと衝撃がきた。本当は分かっていた。

ゆきこが私を連れて人気のない所まで来た理由も。

気を使ってくれたんだ。

でも、いつもはこんなに私の恋には踏み込んでこないのに。

今日は違う。

「私はみきが誰を好きになろうが、いつ告白しようが

全部みきのことだから、口を出さないで応援しようと思ってた。

だけど!やっぱりごめん!焦れったい!みきの事だから片想いでいいや

とか思ってるでしょ!!?」

えっ、、ゆきこ怒ってる?

「あ…………ごめん…ゆき──」

「ちがぁ~う!なんであんたが謝ってんの〜~」

あっそっか、違う。心配してくれているんだ。

ゆきこは心配事があると回りくどい言い方になっちゃうんだった。

あと、とてつもなく早口になる。変わらないなぁ。

さっきまで青かった空から粉雪が降ってきた。

「うん。思ってる……」

「ほれ!ほんっとマイペース!」

「ゆきこ。どうしたの?いつもはそんなこと言わないのに」

私は逆にゆきこが心配だった。

私より身長が高いゆきこに上目遣いに言う。

好きな人でもできたのか?

「いや、…………言おうか迷ったんだけど……」

なになに?やっぱり好きな人?

「……今日、夢を見て────」

ゴゴゴゴゴッッッッ──!!!!

えっ?なに?上の方でなんだか轟音がして上手く聞き取れない。

まるで、雪崩が来ているかのような音。

ゆきこの白い顔がさらに白くなり上を見上げ

ロボットのように口が開き目が飛び出していた。

私も上を見上げた。──かと思うと、目の前は白い雪景色ではなく

すでに、闇に閉ざされていた。

モッサ、モッサ。と音がする。

少し暖かいかもしれない。息をすると冷たい冷気が飛び込んでくる。

なんだか獣の匂いがするな。

ゆっくりと目をあける。

「わぁ!!ゴリラ??」

眼前には薄暗い闇と二本足で立つモサモサの毛の大きな獣の姿。

『あれ~、おかしいな。あんまり驚かないな』

私はおかしかった。ゴリラが日本語喋ってるーー!

それに、なにより私はゴリラが大好きだから驚きより嬉しい☆

『おい。人間。お前、何が起こったかわかってんのか?』

その声はとても冷たく、揶揄の響きなど微塵も感じなかった。

えっと、何が起こったんだっけー?

あぁ、雪崩に巻き込まれたんだ。あれ?生きてる?

ここは天国?ゆきこはどこ?

『お前。ホントに呑気だな』

「あ、それさっきゆきこにも似たようなこと言われた」

思わず、四つん這いで獣の近くまで寄っていた。

なんだか、人間のような面影がある。不思議だ。

自然と頬がほころんでしまう。

『今、俺を人間だと思ったか?残念、俺は雪男だ』

「…………へぇ〜、そ~なの?」

私は立ち上がり薄闇の中の雪男の顔を凝視する。

『チッ、つまんないな。もっといいリアクションしろよな』

やっぱり人間くさい。顔は怖いのに。

「ゴリラの方が顔がかわいいですね」

『はぁっ????』

途端にさっきまでの冷ややかな口調は消え去り熱が入った。

どうやら、怒らせちゃった。

『じゃあ、見せてやるよ!ゴリラとの違いをな!きっと驚くぞ!!!』

半分投げやりに言い捨てると雪男は自分の顎を厳つい手で掴んだ。

そのままグッと上に思いっきり引き上げた。

そのとき、闇の中に無数の光が生まれた気がした。

「ほぇ?」

胸にキュンと衝撃が来た。

眼前にはあのゴリラのような獣ではなく、私たちと同じような人間が

立っていたのだ。獣の体はよく金持ちの人が着ているようなマントになり

代わりに毛がない細い体がチラリと見える。

しかし、人間には感じない彼の全身から

漂うおびただしい冷気。さらに彼の顔の右半分をゴツゴツとした

氷が覆っていた。私は目を丸くし問う。

「にんげん!!???」

『違う。さっきから雪男と言っている』

彼はそう答え一本取ったという顔でにやけていた。

そっか、わかった。なんでコイツに私がキュンと来たのか。

似てるんだ。特に目が。あの凛とした、青く魅力を放つ目が。

私が好きな彼と。

そっくりだ。

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1

こういうお話大好きです。

草川風太

2018/4/7

2

コメントありがとうございます!そう言って頂けて
とっても嬉しいです♡

作者:氷魚

2018/4/7

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とじる

曇った心で考える。

「ねぇ、雪男さんの名前はなんて言うの?」

『教えねぇ』

「今どこに向かってるの?」

『着いてくるな』

「あなたはどこから来たの?」

突然、前を歩いていた雪男は立ち止まり

振り返った。そして冷笑した口から言葉が零れた。

『お前、なんで生きてる?なんで歩ける?

どうして混乱しないんだ?もしかして、お前幽霊なんじゃないのか?

はい、質問は終わり、もうどっか行け』

「え?」

急に、とてつもない恐怖と不安に襲われた。

なんてことは、、、ない。

「なわけっ!だって透けてないし〜

寒いけどちゃんとスキーウェアきてるもん

まだ質問に答えてもらってませ~ん」

ところで、ツインテールの長い髪を振り回し辺りを見回す。

周りは洞窟のようだが全て氷に覆われ一筋の光さえ入らない。

しかし、かろうじて前が見えるのは氷の厚い壁が僅かに

発光していたからである。

なぜ光っているのか、ここはどこか、今何時なのか、

地上はどうなっているのか。疑問はたくさんある。

「ねぇ、質問に答えてよ!」

マイペースな私もさすがに焦ってくる。

『ひとついいか?』

「なになに??」

『俺がお前の、質問に答えて何が起こる?

お前はここから助かるか?友達に会えるか??

そんなことはない。せいぜい、お前の好奇心が満たされるだけだ。

知ったとこで死んでしまったらなんの得にもならないだろ?

好奇心だけで怪しいものについていくな』

彼は淡々と独り言のように言葉を吐き出す。

 「じゃあ、私は何をすればいいの?何も知らないから

ここでどう生きればいいかもわからないじゃない!!」

大きく声が反響し余韻が洞窟の壁に張り付いた。

こんなに怒ったのは生まれて初めてかもしれない。

『ちょ…………ちょっとまて……お前ここで生活するのか?

地上に出なくていいのか?』

「みんなの所には行く!ここでは死なない。だけど、

なんだか、さっきから手足の感覚がなくなってきた……

というわけで、雪男さんにも手伝ってもらいたいの!」

私は懇親の笑顔で訴える

彼は手の甲に顎を乗せ、若干上を見て考え事をしているようだった。

すると、突然こちらに顔を向け目を輝かせていた。

その目には立派な好奇心が宿っていた。

『俺も実は、人間と話をしてみたいと思ってた』

「でしょでしょ??」

おぉ?これはいけるんじゃないか?

『しかし、そうなると俺はお前を殺さなくちゃいけないな』

「…………は?」

 雪男は平然と答えた。

「いやいや、私はまだ高校二年生でこれから恋もするし

大学も行きたいんだから殺しはなしでしょ????」

私は懸命に呼びかける。

しかし、私の声はハエのようになんの効果も現さず

弱々しくただ響いていただけだった。

それだけ、彼の目は本気だった。辺りの凍てつく空気を

吸い込み輝きと絶望を吐き出す。

しかし、その瞳には微かに躊躇いの色が感じられた。

普通は分からないほど微かに。

不思議だ。彼の目からは彼の思いがハッキリと

感じることが出来る。

『あまいな。人間。タダで俺たちの命に関わるかもしれない情報を

手に入れておまけに助けて貰おうなんて──欲がありすぎるぞ』

また、雪男は淡々と話す。なんで2人しかいないのに独り言のように

話しているのだろう?

『とりあえず、俺は帰りたいんだ!』

あぁ、わかったぞ。

「もしかして、雪男さんは迷子ですか?さっきから

私を置いて帰ればいいのに全然進んでない、つまり──」

『ま!まいごじゃない!』

明らかにこれは迷子だ。

『……しかし、お前は迷子だ。俺は地上に出れるものを持っている』

ほ〜〜。じゃあなんで使わないんだ?もしかして使えないとか?

私がいるから?でも私を殺したいならどんなものでも使えるか。

重要な秘密?雪男はニヤけてる。考えろってこと?

俺は言えないけど自分で閃くのはいいの??

ん?でも、大きい道具は何も持っていないのに──わからない。

「雪男さん!私わかりません!でも、」

『なんだ?』

「私、雪女として生きることにしたんで教えてください!」

頭を深く下げ、語尾を強調。どうだ?

笑い声が聞こえる?

顔を上げると彼が腹を抑えて笑い転げていた。 

『お前何言ってんだ???雪女になるって?無理だろ。

俺たちは何があっても人間に会ってはいけない。秘密を知られては

いけない。知られればまた、あんなことが──起こってしまうから』

も~!また、一人語り……

「あー!実は雪男さん怖がりなんでしょ?人を殺したくないんでしょ?」

私は揶揄を入れてやけに大きな声で言う。 

雪男は拳で壁を叩いた。

その途端、パキパキッバキバキバキバキ──

と、壁に亀裂が入った。だんだんその亀裂が広がって行った。

深く深く、急速に発達する植物の根みたいに。

私は声にならない悲鳴をあげていた。 

大小それぞれの氷の欠片が落ちていく。

やばい、私、倒れそう。とっさに目を閉じる。

しかし、体がふわっと宙に浮くような感覚。

目を開けると真っ先に飛び込んできた光。

太陽が沈んでいないため、まだ昼頃だと推測できる。

次に雪男の髪が見える。なにより、私はお姫様抱っこ

というものを生まれて初めて男性にしてもらっているようだ。

闇の中では黒く見えた彼の髪を鮮明に青だと確認できる。

灰色がかった青い髪。つむじを境に右半分が濃く左半分は薄い。

『お前さっき、俺のことを怖がりだと言ったな。

人を殺したくないんだろとも言った。その通りだ。

俺は殺すより助けたい。知りたい。けど怖い

だけど、お前を助けた。人間の世界まで来てしまった。』

こんな事言っていいのだろうか。こんなことしてまた普通に家に

帰ることはできるのだろうか。

彼の顔や言葉からそんな不安も読み取れた。

『お前は怖くなかったの?どうして俺を信用したの?

俺は人間が怖かったのになんで──』

「お前じゃない。私はみき!ヨロシクね」

嬉しかった。

この雪男は優しいってわかったことが。

私と目を合わせてくれたことが。

なにより、私の事を知ろうとしてくれることが。

「相手が誰であろうと怖いとか言ってたって死んだらなんにもならないし

前に進まないからね」

雪男は人間は理解できないという顔をしていた。

 

でも、やっぱり

「とりあえず、風呂ぉ!!!」

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とじる

雨が降ったら、傘を捨てよう

あったかい。

そっと指先を動かしてみる。

なんだか軽い。そのまま腕を天に向かって突き上げてみる。

目を開ける。全身を撃つように衝撃がくる。

「えっ?なんで?」

動揺してる。恐怖も感じる。

「なんで、私の腕!透けてるの!!??」

さらに、動揺が大きくなる。しかし、心臓はピクリとも動いていない。

自分の腕を通して氷の壁を見ることが出来る。

慌てて立ち上がる。

「もしか……して、私は……もう、この世には……いない……?」

パフパフパフーー☆

突如、キテレツなラッパの音が聞こえる。

『はいはーい!大正解です!ゆきこさんあなたは亡くなりました。

ご愁傷さまです~』

妙に高いテンションでピエロの格好をした、男性が目の前に現れた。

「はぁ???」

私が訝しげな顔をしていると。

 「あぁ、申し遅れました。僕は上から来た物です。よろしく」

「はぁ????」

私の頭上の?がひとつ増えた。

「いやいやまって、あなたの名前は?職業は?」

すると、ピエロはさっきまでのふざけた語調を変え帽子をとり

やや頭をさげる。

『はい。僕の職業は貴方を光の神の所へ連れていくことです』

「……違う」

『はい?』 

「………………じゃない」

自分でも驚くほど声が出ない。握った拳も震える。

「……私じゃない!死ぬのは私じゃなくて!みきだったの!」

震えを抑えるように無理やり大きな声を出す。

『どうしてですか?』

ピエロは頭を傾け可愛げに聞いてくる。

「この前。夢で見たの。私はみきと2人で真っ白い花が

いちめんを覆う花畑にいた。だけど、次の瞬間辺りは暗くなって

目の前にみきが倒れてる。その傍らにはりんに似た人がいて──」

はっと、いつの間にか語っている自分に気が付く。

そして、ピエロを見た。案の定、彼はあくびをしていた。

『あなたはそんな夢を信じてたんですか?また、随分と

幼稚な方ですね〜』

へ?なんだって?もしかして、馬鹿にしてる?

なんだ、この上からものをいう態度。

お前は偉いのか?大統領か!

『くだらないですね。所詮それは夢。現実見ましょう』

うわぁ。コイツいちいちカンに障る奴だ。

光の神の所に行ったら、「コイツはクビにした方がいいです」ってアドバイスしよう。

『それより、僕が聞いたのはどうして貴方は、

まだみきさんは生きていると思ったのかということ』

「えっ、いや、」

さっきまでとは打って変わった凄まじい圧に

一瞬後ずさりしてしまった。

ピエロの表情は読み取れないけど

コロコロ心情が変わる。

とてもめんどくさいやつだ。

目のあたりを見ても眼球がちゃんとあるのかわからない。

でもその目から発せられる圧に圧倒される。

                                                                             

『貴方は馬鹿ですね。さっき、

                              ↓↓↓↓

自分で死ぬのはみきだったはずだ

とおっしゃいましたよね』

あぁ。そうだっけ?

この目に見つめられると言いたいことも

言い出せなくなるな。

『つまり、貴方は友達思いだと言うこと。なんだかんだ言って』

そうなのかな。友達が死ぬとか最低なこと考えたのに。

自分でも分からなくなった。

そう思うとドッと無力感が湧き上がってきた。

『ですが、そんな友達思いの貴方にもう一度みきさんに

逢えるかもしれないヒントをさしあげましょう!』 

ピエロは楽しげな笑みを浮かべ、クイズ番組の司会者のような口調で人差し指を突き立てる。

本当に???さっきまでの無力感も絶望もわたあめのように溶けて消えた。

『ただし、一つだけ条件がありま〜す』 

その言い方からは、絶望とも希望とも取れる感じが伝わる。

まるで、口の中でわたあめが溶けきれず残ってしまった時のような

感覚がした。ピエロは何がしたいのかわからないけど。

「わかった。なんでも聞く」

今は、どんなに溶けやすくても残ってしまったなら、しっかり

噛み砕かなければだんだん固く大きくなってしまう。

今、出来ることをやらないで黙って死ぬわけには

いかない。

『いいですか?その条件とは──』

ふぁぁあ〜。いい湯だな~♡

しかし、こんな雪山に天然温泉があるとは知らなかった。

『ここはもともと人間なんかが歩けるほど緩やかな山じゃなかったらしいぜ』

背後から雪男の声が!

すかさず手にいぱっいの雪を集め、丸める。

そして、お約束のセリフとともに大きく振りかぶり

雪の玉を雪男の顔面に向けて発射!

「雪男さんの!エッチ〜~~~!!」

ガフッと豪快な音を立て、雪男の顔に直撃!

「ちょっと!レディが湯に浸かってるのに堂々と覗くとは

いい度胸してるじゃないの。だけど!常識がなってないわ」

『常識と言われても雪女も雪男も風呂に入らないからな〜』

渋い顔で言うと雪男は食べ物探してくると言って

どこかへ消えてしまった。

しかし、アイツは良い奴だけど本心がなかなか見えない。

なにが目的なのかもわからない。

まぁそんなことはどうでもいい。

とりあえず、早めに上がろう。

「という事でいいですか?」

『つまり、おま……みきは仲間の所へ帰らずユキコとやらを

探しに行きたいという事か?』

「あ~。違う違う!」

温泉から出ると驚くことに小さな鎌倉が出来ていた。

雪男は『俺は大工じゃないからこのサイズで

勘弁してくれ』と言っていた。

中は狭かったけど外よりは暖かかった。

さらに、果物も置いてあった。この当たりに実っているのかと

思ったが、かじってみたらとてつもなく硬く凍っていた。

だけど、雪男はボリボリ食っていて恐怖を感じた。

そして、今に至る。

「そうじゃなくて、ゆきこを探し出してからみんなの所に行くの」

『よくわからん。仲間と一緒に探した方が見つけやすいだろ?』

確かに雪男が言うことが最もだと思う。

さっき見た太陽も既に西に傾いていた。

「だけど、私、もっとあなたの事が知りたい!

それに、私はまだあなたに借りを返してないから」

どうしてだか分からないが今、私の判断力は凍っているのだと思う。

自分の気持ちに任せて言葉を発している。それが、やっぱり

自分の身を滅ぼすとしても。好奇心は止められない。

『ふむふむ。その気持ちわからんでもない。俺もかなり興味がある

人間の技術にな。まぁみきが出来ること次第で協力してやってもいい』

「ははぁ!よかった!じゃあ、今日中にゆきこを見つけないと

いけないから早速動きましょう!」

みきはサッサと立ち上がり鎌倉を出た。

夕方の冷たい風に加え雪上の冷気が頬を掠め全身を包む。

『まてまて!お前は何ができる?ミサイルが作れるのか?

何か奇想天外な発明が出来るのか?』

雪男も続いて這い出てきて必死に止める。

「ん~……私に出来るのは──」

少し悩んでから雪男の瞳を見つめる。

「盆踊り、かな?」

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