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あの柳の木の下は

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  誰が埋めたともしれない、それは誰にも知られてはならない。

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  阿須間市桜真町の、柳の木の下には、世界が埋まっている。

  実に馬鹿げた話だ。俺らが生きてるこの世界が、世界であり、埋まっているなんて、有り得ない。

  オカルトや都市伝説の類だろう。俺はそういうの嫌いじゃないし、割と好きな方だが、世界が埋まっているって、言われてもな。

  それに柳の木なんて、阿須間市に何本有ると思っているんだ。全部掘り返すのか?そんな事は不可能だ。区画整理や、建て替えなんかで掘り返されてば、とっくに処分されているだろうしな。

  まあ、誰が流したかも分からない、審議も怪しいからこその、都市伝説なんだけどな。

  だが、俺は一つ大事なことを忘れていた。そう、

忘れていたのだ。

  俺の学友で悪友の馬鹿は、オカルト研究会の部長だということを。

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とじる

  今日は日曜日。日曜日だというのに、男四人で柳の木巡りだ。ぶっちゃけアホかと思う。せめて、女の子が1人でもいればな.....。

「よく来た諸君!」

「お前が、日曜日の朝から、インターホンを連打してなきゃ、来てないんだけどな!」

「そんなに褒めるなよ」

「よし。目の前の川に飛び込め。50回で赦してやる」

「断るん!」

  サスペンスじゃなくて良かった。崖に突き落とすところだった。

「今日は『柳の木の下には世界が埋まっている』探索隊だ!」

「ネーミングセンス皆無かよ」

「部長流石です!」

「神をも恐れぬネーミングセンス、感服致しました!」

「ハッハッハ!褒めるな褒めるな!」

  俺、なんでコイツと友達やってるんだろう.....。

  後それ、全く褒められて無いからな。

「それで、検討はついてるのか?」

「それを探すんだよ」

「綿あめに埋もれて、全身ベッタベタになれ」

「今日は優しいんだな、マイフレンド」

「口にクワガタ詰め込むぞ、マイフレンド」

「それはクワガタに悪いさ」

「そうだな。クワガタの為に口縫っとこうな」

  口を噤め。出来ないなら口を縫え。二つに一つだぞ、我が友よ。

「まあ、落ち着けよ親友」

「誰がだ」

「俺は既に一つ目星をつけているんだ!市役所に行こう」

「市役所に、柳の木なんてあったか?」

「いや、無いけど?」

「は?」

「一番古い柳の木が、何処にあるか聞くんだよ!」

「それは、目星をつけてるって言わないんだよ。この、万年お馬鹿」

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とじる

  ここが、その古い柳の木の下か。まさか、市役所がこんな事を教えてくれるとは思わなんだ。

  如何にも雰囲気のある所だ。夜中に来たら、多分何か出る。何か埋まっているというよりは、何か立っていると言われた方が、しっくりくる。怖い。

「おい、男四人でホラーは無いんじゃなの?」

「まあ、まあ。まだ昼だし、適当に掘り起こして、何も無ければ帰ろうぜ!」

「お前みたいな万年お馬鹿さんが、思い付くって事は他に誰か試してると思うんだが?」

「いいから、いいから!」

  議論をしてても、埒が明かないので、取り敢えず掘る事にした。

  試しに少し掘ってみると、少し離れた所の土より柔らかく、明らかに誰かが、掘り返した様子だった。

「おいこれ、もう誰かが掘ってるぞ」

「いやいや、一応ね!」

  後で、行き付けで一番高いCセットを奢らせよう。そうしよう。

  三十分近く、深く広く掘り返したが、これ以上は埋めるのが大変、という事で諦めた。

  結論、何も無かった。

「あ〜一番古い木じゃ無かったか〜」

「なら、一番大きな柳の木なのでは!」

「良く言った後輩!君はすんばらしい!」

「恐縮です!」

  余計な事を!

  こうして俺らは、地域のお年寄りに、大きな柳の木が無いか聞くことにした。まさか、聞き込み調査にまで、発展するとは.....。サヨウナラ日曜日。また逢う日まで。

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とじる

「すみません。この辺りに、大きな柳の木は無いですか?撮影に使いたくて」

  聞き込む建前を考えてたんだが、後輩が都合良くハンディカムを持っていたので、映画研究会という事になった。

  まあ、手当り次第木の下を掘り返すので、教えてくれ!というよりは、背景に使いたいので教えてくださいのが、相手も教えやすいだろう。

  この聞き込み調査、意外と進展があった。成果はこうだ。

・西片山の公民館に一本

・神海ヶ丘公園に一本

・北町駅に一本

・吉岡南中学校に一本

  有るらしい。丁度四方に散っていて、程よく距離が遠いので、今日は解散と言う事になった。

  問題は、何処も掘らせてくださいと、お願いするのに問題がある事ぐらいだ。

  埋まっているものを掘り起こすという、本来の目的に目を瞑れば、十分な成果が出たな。

  それを悪友基馬鹿に告げたところ、一軒一軒掘らせてもらえないか交渉するそうだ。

  行動力の伴う馬鹿は本当にヤバい。それを心の底から思い知った。

  先ずは、公民館からあたってみるそうだ。

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不思議ですね、「世界が埋まっている」とは。
なんとも神話的なまでのロマンを感じますが、それをぶち壊す親友氏の天然ぶり……

大久保珠恵

2018/4/15

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大久保珠恵さんコメントありがとうございます!

「埋まっている世界」を掘り起こすとどうなるのか、徐々に解明していきたいと思います!
親友も悪い奴では無いので、許してやって下さい!

作者:アメフラシ

2018/4/15

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とじる

  西片山公民館

  かなり昔の公民館で、入口の目の前に、大きな柳の木が植えてある。

「さて、友よ」

「ここまでクッソ遠かったんだけど、遺言があるなら聞くぞ、友よ」

「すまんなかったです。許してポンペケポン」

  後でハンバーグにしてやるからな。覚悟しとけよ、このマルゲリータ野郎。.....マルゲリータ美味いよな。

「掘っていいか聞いてくる」

「はよいけ、カス」

「うっす」

「あ、おい。後輩共は?」

「今日は忙しいそうだ」

「俺も睡眠とか、マンガとか、ゲームとか、宿題とか忙しくて、天性の馬鹿に構ってる時間ないんだけど」

「悪い悪い。後で十円あげるから」

「アイスティー20杯でいいぞ」

  十分ぐらいして、ようやく戻って来た。

「ダメだってさ」

「だろうな」

「公民館全部掃除したら良いって、ゴミ拾いも含めて」

「手伝えと」

「いえっっっっす」

「焼き魚の骨、喉に30本ぐらい刺さって悶えろ」

  頭がおかしくなって、頭打ち付けて、飛ばないかな。良く考えたら、コイツ既に頭ん中ぶっ飛んでたな。

「あっそれ、ゴミ拾い!ゴミ拾い!ゴミ拾いったら、ゴミ拾い!」

「せめて、静かにやれ!」

  結局手伝ってる俺は、とんでもないお人好しかもしれない。

「おい、これいつ終わるんだ。もう3時間は掃除してるぞ」

「後はこの部屋だけだ。俺が掃除するから、お前は休んでていいぞ」

「当たり前だろ。俺はもう疲れた」

  やっと、全部終わりそうだな。

「終わったぞ!さぁ、掘り返そう」

「クソめんどくせぇ.....」

  キャラメル食べたい。掘り返し終わったら、必ず口に唐辛子パウダー流し込んでやる。

  例によって三十分程土をごっそりしていると、手応えがあった。

「なんだこれは.....」

「何かあったのか友よ」

「紫色の屋根、青い格子状のキューブ、赤色の橋、黄色の時計。そして、柳の木」

「ミニチュアのフィギュアだな。何の意味が?」

「分からん。だけど、何処かで見たこと無いか」

「無いといえば無い。だが、有ると言えば有るな」

「俺もそんな感じだ」

「持って帰っていいか、聞いてみよう」

「そうだな」

  ゴミを埋めた奴が居たのだろう、という事で持ってっていいとの事だった。

  こうして、ミニチュアのフィギュア模型を、部室に持ち帰った俺らは、明日の部活で検討することにした。

  .........俺オカルト野郎共の集団に所属して無いんだけど、俺も出なきゃダメなん?

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1

これが「世界」?
はて???

大久保珠恵

2018/6/2

2

大久保珠恵さん。コメントありがとうございます!
まだ、三箇所も行ってない所が有ります。
「世界」はまだ遠いです。

作者:アメフラシ

2018/6/2

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とじる

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