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小さな世界 完結

神様のくしゃみ

更新:2018/4/27

舞殿王子

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私たちが生きている『地球』も、神の目線ではただの『シャーレの中の細菌』程度なのかもしれません。

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 僕たちは、閉ざされた世界の中にいる。

 なんとなく、そう感じていた。

 この世界を造った神がいる。

 それは確信というよりも、信仰であったかもしれない。

 僕たちは栄養を摂り、自らの細胞を増やしていく。

 僕たちは数を増やし、テリトリーを広げていく。

 この閉ざされた世界を覆い尽くすまで。

 「菌の培養は順調かね?」

 「ええ。どんどん増えていますよ。ほら、この通り」

 「こらっ!?蓋を取るんじゃない!」

 「えっ!?……は、は、はくしょん!!!!」

 それは『くしゃみ』というものだったらしい。

 僕たちにはよくわからない概念だ。

 神の口から放たれた飛沫は、閉ざされた世界に新参者を送り込んだ。

 そして僕たちは今、絶滅の危機に瀕している。

 神の『くしゃみ』によってもたらされた新参者は、僕たちを次々と駆逐していった。

 もう僕たちのテリトリーは、僅かしかない。

 「この実験は失敗だな。蓋を開けてくしゃみをするなど……信じられん。今どきの学生はこれだから……」

 「すみません、教授。このシャーレは廃棄して、新しいのを用意します」

 「ああ。シャーレを入れ替えて、実験を続けるように」

 「はい、わかりました。……あっ!困ります!ここは関係者以外立ち入り禁止です!」

 「君たちは警察か?何の権限があってこの部屋に入って来たのだね?我々は財務省から依頼を受けて実験をしているのだが?」

 「高齢者だけに感染する細菌の培養をしている、という情報がありましてね。厚生労働省から。とりあえず事情をお聞かせいただけませんか?」

 「何を勝手なことを。このプロジェクトは、総理もご承知で……」

 「実験室にこもりっきりでご存じなかったようですね。クーデターが起こりましてね。政権が変わってしまったんですよ。まあ、神様がくしゃみをしたような状況ですが」

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1

面白かったです(^^)

スリングママ

2018/4/27

2

ありがとうございます。最初はただ細菌の話を書くつもりが、書き終えたらちょっと違う話になっていました。

作者:舞殿王子

2018/4/27

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とじる

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