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アガルタ

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どんどん続き書いていこうと思っています。
た、多分やると思います。
応援してくださると嬉しいです。

生暖かい目でお楽しみください。

1位の表紙

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この不思議なマンホールに出会ったのは、ごく最近のことだ。

ここ最近自宅警備に勤しんでいる僕。

別に引きこもりなわけじゃない。

ただ、今が夏休みってだけの話だ。

徹夜していたゲームもひと段落して少しの眠気と猛烈な空腹が襲ってきた。

「腹減った。なんか食わないと死ぬな」

よくよく考えるとここ数日ロクな物を食べていない。

眠気と空腹で朦朧とする中何とか冷蔵庫まで辿り着き、その中身を漁る。それは必死に漁る。

「何もない……だと」

冷蔵庫の中は空っぽだった。

いや飲み物は腹が立つほどに入っていた。

しかし食べ物は、食べることのできる何かは一つとしてなかった。

「嫌がらせかッ」

旅行に行っているイタズラ好きの両親にそう突っ込んだ。

よもや二人も自分の息子が餓死寸前まで冷蔵庫を開けないとは思わなかったのだろう。

予想してやっていたらタチが悪すぎる。

何か買いにに行くため、空腹に喘ぎながらよろよろと歩いて行く。

かなり朦朧としていたため道の状況をよく覚えてはいないが別に道が崩落しているとか、穴が空いていたとかそんなことはなかったと思う。ここは東京なのだ。そもそも田舎でもなかなかないだろう。

のはずなのだが落ちた。

道がなかったのだ。

踏み出した足は確かに地面に着いていたはずなのになぜか空を切った。

確かに足を踏み出した場所にはしっかりと蓋の閉まったマンホールがあったのだ。

しかし、どんなに言ったところで状況は変わらない。

空を切ったせいでバランスを崩しそのまま前のめりで落ちていった。

気がつくと森にいた。

それも普通の森ではない。

ゲームに出てくるような幻想的な森だ。

巨大なキノコ、葉が光る大木、木々の間をかける光球。

人間の常識を超えたものがそこには広がっていた。

いつもの彼ならば戸惑いながらも喜んでいただろう。

見渡す限り、彼がよくプレイしているゲームにそっくりなのだから。

しかし、今の彼にそんな余裕はなかった。

「ヤバイ……本当に死ぬ。腹減った」

もう空腹の限界なのだ。

意識など朦朧を通り越して、視界に映るもの全てが食べ物に見え始めている。

「あッ!」

そんな視界が少し一本の木を捉えた。

リンゴのような赤く熟れた果実が無数になっている木だ。

幸運にもその木は周りよりも幾分も低く手を伸ばせば届く位置に果実があった。

獲物を捕らえる肉食獣のような動きで木へと駆け寄り、果実を一つもぎり取る。

口の中が涎で溢れる。

本能のままに果実に齧り付こうとした瞬間

「食べちゃダメだッ!」

叫び声とともに、今まさに齧り付こうとしていた果実が吹き飛んだ。

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おお、これは何かが始まる予感ですね。
どんな展開になるのかが楽しみです!!

大久保珠恵

2018/5/9

2

大久保珠恵様
コメントありがとうございます。
執筆の励みになります。
早いうちに続きが上げられるように頑張ります。

作者:泡沫

2018/5/9

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とじる

潰れた果実の果汁が辺りに飛び散る。

「なッ」

果実に噛り付こうとした格好でフリーズする。

食べようとしたものが目の前で吹き飛んだら誰だってこうなる。

「大丈夫か!」

そう言う声と近づいてくる足音で、正気に戻った。

「だれ……だ……」

絶句した。

空腹だという事を忘れるほどに驚いた。

そこにいたのは美女だった。それも絶世と付けるのに何の疑いも持たないほどの。

気品あふれる黄金の髪、スラリとした体つき、そして極めつけは笹の葉のように尖った耳。

「……エルフ」

その言葉が口から零れた。

いや、そんな筈はない。それは空想上の産物のはずだ。

「何だ?私たちのことを知ってるのか?」

覗き込むようにして言う。

「お前見ない顔だな。それにその恰好……まさかお前『チジョウジン』か?」

「『チジョウジン』?」

地上人と言いたいのか?何を言っているんだ?

「それより、お前大丈夫か?あの実を食おうとしてたようだが」

それだと言って。吹き飛んで潰れた果実を指さした。

「ああ、あの実か。腹が減って死にそうなんだ、だからリンゴに似ているあの実を食べようとしたんだが。ダメだったか?」

顔についた果汁を舐めながら言う。

「あの果実には強い毒があるんだ。食べたら死ぬぞ」

「……え」

「どうした?顔が青いぞ」

「そ、それは、果汁にも含まれているんでしょうか?」

「当然だろう」

『\(^o^)/オワタ』。某動画サイトのように脳裏にその文字が流れてゆく。それはもう弾幕のように。

「もしかして舐めたのか?」

「は……い……」

視界が歪み始めた。グワングワンと波打つように揺れる。

空腹のせいもあってか、すぐに意識はあっという間になくなった。

「知らない天井だ」

目を覚ますと知らない天井があった。

「よし、一度は言ってみたいセリフが言えた!」

満足したところで、場所を把握するため辺りを見回す。

「で、ここはどこだ?」

辺りを見るとどうやら木で出来た部屋の中にいることはわかるのだが。

「生活感が凄いな」

この部屋の住人はきっと片付けが出来ないのだろう。

テーブルやいすその他の家具を覆うようにたくさんの本や衣類が散乱している。

今僕が寝ている場所も、本や衣類を無理やり押しのけて作られた空間だった。

「そう言えば、あのエルフのような少女はどこに行ったんだろう」

部屋の中に誰かいる気配がない。

「彼女にお礼を言っておかないとな」

あの森からこの部屋まで連れてきてくれたのは恐らく彼女だろう。

「ん?」

そんなことを考えているととても食欲を揺さぶられるような香りが流れてきた。

「うまそうな匂いだ」

グーー。匂いに呼応するように大きな音を立てて腹が鳴った。

「そう言えばまだ空腹なんだった」

ヨロヨロと起き上がり扉を開く。

「なんだこれ」

そこには緑色の海が広がっていた。

正確には、眼下には青々と茂った木々の海が広がっていただ。

「マジか」

てっきり、違う部屋に繋がるものだと思っていた。

「案外小さな家だったのか?」

いや、そこまで言って思い出す。

散乱していた物のせいで狭く感じたが家具の数などから考えて決して狭い部屋ではなかったのだろう。それに奥の方にいくつか扉まであった気がする。

「やっと起きたのか」

反射的に声の方へ振り返る。

そこには森で会った美しい少女がいた。

どうやらこの家は、テラスまであるらしい。

「どうやら意識を失っただけのようだな。あの実の毒はかなり強いから心配したんだぞ」

「君が僕をここまで運んできてくれたのか?」

「そうだ。あのまま放っておくわけにもいかないしな」

「ありがとう。君が助けてくれなきゃ死んでたよ」

「なに、気にするな。それが私の仕事だ。それよりもほら、腹が減っているのだろう」

そう言って、その少女は何かを差し出した。

「シチューか?」

「そうだ。食べれないものでもあったか」

「いや。ありがたくいただくよ」

そう言ってスプーンで掬い。口へ運ぶ。数日ぶりの食事だけに、嚥下したシチューは身体に沁み込むような気がした。そして空腹が最高のスパイスであるという言葉が嘘ではないことを知った。

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意外とメタいことを言ってくれる主人公くんが楽しいww
しかし、生きてて良かったですね……。
さて、これからどうなるのやら?

大久保珠恵

2018/5/27

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とじる

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