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しんどろうむ 完結

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 一時期世間を騒がせたポイントカードシンドローム。

 ある時を境に、誰の口からも、どんなメディアからも聞かないぐらいにぱったりとブームは終わった。

 買い物していても、

「ポイントカード……」

 と、差し出すだけで怪訝な顔をされる。

 それもそうだ。

 人類がAIの支配下に置かれ、網膜などの生体認証で戸籍や口座、クレジットカードやこれまでのポイントカードなどのあらゆる資産が一括管理されるようになったこの世界。

 一昔前まで流通していた、まだ使用者が――数は少ないが――残って居るというただそれだけの理由、温情で生き残っているポイントカードなんてものを差し出す客は限られている。

 我々世代にはAIからの支配を拒み、慈愛に満ちたAIはそれを簡単に許容し、未だに細々と発行される現金と、ポイントを貯めるためのカードを使い続けている者が多いが、その多くは自身の肉体で生活することを諦め、ヴァーチャルの世界の住人となっている。

 痛む関節を引きずり、わざわざ買いもに出かけるような酔狂な老人は私ぐらいのもの。

 もしかしたら、支払いを現金で行うのも、支払い時にポイントカードを提出するのも、私が最後なのかもしれない。

 そんな思いも浮かんでくる。

 AIどもはそれも把握しているのだろう。私が死ねば、あるいは買い物に出なくなれば、誰も使わなくなる現金決済、ポイントカードのシステムは破棄されるだろう。

 問題は、そこに至るまであと何年かかるか? カウントダウンは始まっている。

 人工臓器や生体ナノマシンなどで、人の寿命が千年にも達しようというこの時代。

 ゆるやかなカウントダウンが。

 

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