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それは突然に 完結

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SF書いてみました!
最後の「    」は 自由に 想像してください~。

1位の表紙

2位

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ある日 突然、地球が無くなった。

それは何の前触れもなく突然やってきた。

人間が飛んでいる蚊を両手で潰した時のように 

一瞬のうちに表の世界から消えてしまったのだ。

76億人の人間の魂、そして数えきれないほどの虫や鳥、

魚など無数の動植物の魂が突然 自分の体と住む場所を失った。

住む場所を失ったのは、生きていた生命体だけではない。

死んでもなお、表の世界にこだわり続けた死者の魂達、

そんな沢山の魂が 突然 何もない宇宙に放り出されたのだ。

そこには 本当に 何も無かった。

やがて一部の魂達は自分の星を作り始めた。

なぜ地球が消滅してしまったのか、熱心に研究する人もいる。

自分が大切にしていた仕事を続ける人もいる。

歌手になりたかった人、作家になりたかった人、

スポーツ選手になりたかった人 

何をやってもいいというこの空間で 

やりたいことを それぞれがやり始めた。

俺のやりたいことって何なのだろう。

学歴がないから 成績が足りないから 

そう言われて就職試験には落ち続け 悔しい思いをした。

しかし 今、何をやってもいいと言われても、

自分は何がやりたいのか全く思い付かない。

ふと横を見るとゲームを作っている人がいる。

かなり大掛かりなゲームでとても楽しそうだ。

自分もやってみたいと思い近寄ってみたが弾かれてしまい、

その空間に行くことができない

それなら自分で作ってみようと 頑張ってみるが 何も思い浮かばない。

あれだけ熱中してやっていたネットゲームも、

結局は 他人が作った空想の中で楽しんでいただけなのかもしれない。

今はもう うるさく注意する親も先生もいない。比較される兄も妹もいない。

何をしても怒られない やっと 束縛のない自由な人生を手に入れたというのに

1人では 結局 何も決められない。

結局 自分は誰かに依存しながら生きてきたのかもしれない。

夏の蚊は たとえ短命の日であっても、

子孫を残すために必死で人間の血を吸い、懸命に生きることができる。

道に生えた雑草でも、生まれたばかりのしらすの子でも、

みんな『死なない』という目的があった。

地球が消滅してしまった今 再び生まれ変わるということはできない。

限りのある命を手に入れることは、もうできないのだ。

生きていた時には永遠の命を欲しがる人がたくさんいたが、

死なない魂だけの存在になった時 何のために生きるのか、

いつまで生き続けなければいけないのか、途方に暮れる魂も多い。

死にたくないのに死んでしまう身体と、

死にたいのに死ねない魂だけの身体、どちらが幸福なのだろう。

地球が消滅して、どの位経ったのだろうか、

いつものようにフワフワとさまよっていた僕の前に 

小さな紙の欠片が流れてきた。

手に取ると何か絵が書かれている。僕はこの絵が何なのか気になった。

辺りを見ると、誰かが破ったらしく、その紙の破片が幾つか散らばっていた。

僕は夢中で、それを拾い集めた。

その絵は僕が地球にいた頃に遊んでいた近所の小川だった。

ザリガニを取ったり 草で作った船を流したり、楽しい思い出が蘇った。

ここに戻りたい。僕は静かに思ったその瞬間、

目の前にそのが小川が広がった。

草も木も鳥も虫も全て あの時のままだった。

僕はその草むらの中にそっと座った。

だんだん日も落ちてきて辺りが暗くなってきた。

僕は何をするのでもなく、じっと佇んでいた。

ふと足元を見ると小さな光が僕のほうに 漂いながら飛んできた。

「 蛍だ 」 

小さい時に見た蛍の景色を思い出した。

ばあちゃんの家でみんなと一緒に「蛍の見える里」に行った時のことだ。

なかなか蛍が出てこなくて 帰ろうとした時

1匹の蛍が僕の前に飛んできた。

「1匹いたよ おばちゃん」

喜んでおばあちゃんの顔を見上げると、おばあちゃんは

「ほら、見てごらん」

と言い 林の方を指さした。

僕が振り向くと林の奥から何万、何10万という数の蛍が

漂いながら ふわふわと こちらに向かってやってきた。

やがて その蛍の集団は僕達を完全に包み込み、 

僕たちは無数の星々に囲まれた。

その蛍が何もないこの空間にいる 無数の輝いている魂たちと重なった。

しかし、あの時の蛍とは違う。ここの星たちは、自分の為だけに輝いている。

あの時 おばあちゃんの家で見た蛍たちは 

短い命を、子孫を残す為だけに懸命に生きていた。

たとえ短くても意味のある命だった。

そんな生き方がしたい。たとえ 限りがあっても。

僕は下を向き、目を閉じた 

その瞬間ものすごい騒音が耳の中に溢れた。

大量の車が通りすぎる音、人の話し声、

台車が通り過ぎる声、近くの工事現場で鉄と鉄がぶつかり合う音。

僕は静かに目を開けた。

すると目の前には東京の見慣れた交差点が広がった。

チャイムと共に信号が青に変わると、人々が一斉には歩き出した。

僕もつられて前に歩く。

そして、しっかりと大地に足をつけながら

「              」

心の中で叫んだ。

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無限の自由に、人は果たして耐えられるのか。
その答えの一つがこちらだと思います。

大久保珠恵

2018/5/21

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星の王子さま的に 哲学やってみました!
お題が穴埋め問題みたいだったから
思い切ってオチを穴埋めにしてあります。
正解は無数にあると思います。
読んだ人の感じたオチを入れて下さ〜い。
表紙もありがとうございます。。。
神様の処方箋も 再スタートします。 よろしくお願いします〜。

作者:スリングママ

2018/5/22

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とじる

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